お化けが苦手だ。
ホラーが苦手だ。
辛いのが苦手だ。
生き物が苦手だ。
暑いのが苦手だ。
苦手なものを苦手だと言う。
それが恥ずかしかった。
あれが
いわゆる思春期だったのか。
ホラーとか苦手なんですよ。
いつから平然と
言えるようになったのだろう。
苦手なことを自然に言える
いまが平然じゃない気もする。
怖いのを隠して
お化け屋敷に入った日。
もしかしたらもう二度と
ここからは出れないんじゃないか
そんな恐怖と闘ったあの時間。
思い返せばあれはあれで
悪くない時間だったかも知れない。
いや、でも二度と行きたくない。
やっぱり苦手なものは
苦手だと言えたほうがいい。