• 追っかけ

    小説を読んでいて自分が
    想像もしてなかった展開で
    話が進むとき。

    勝手に捉えていた方向性。

    そんなの知らないよと
    とことん裏切られる感じ。

    理解しようと
    思わず本と目を閉じて
    一回考えるあの時間。

    あの時間こそ
    思考であり至高である。

    考えすぎて、本に挟んでいる
    指がぬけないように必死である。

    取りにいった情報は
    見たいものだけを見る。

    だからそこに快感はない。

    寄り添ってくれなくていい
    教えてくれなくていい。

    そのほうが
    知りたくてたまらなくなる。

    尻は追いかけるもので、
    Siriは尋ねるものである。